「週刊金曜日」2007 №639 1/26 には「国家の手先か 国が手先か 日本経団連・御手洗ビジョンのゴーマン」という見出しの対談記事で、ジャーナリストの斉藤貴男さんと「週刊金曜日」編集委員の佐高 信さんが、1月1日付で発表された日本経団連・御手洗会長の「希望の国日本」という題名のいわゆる「御手洗ビジョン」を批判しています。
「このビジョンのどこに『希望』があるのというのか。大多数の市民・国民を犠牲にして大企業だけが儲けるマニュアル、それも米軍と一体の戦争遂行をも想定する破廉恥さ。」と。
ところでその御手洗氏が会長をつとめるキャノンでは、宇都宮市清原工業団地のキャノン工場で請負労働者として働いている
大野弘之さん、が、衆院予算委員会の公聴会で、同社の偽装請負問題を告発しています。
(日本経団連会長で、キャノン会長でもある御手洗氏は、経済財政諮問会議などで、「請負法制に無理がある」とか、労働者派遣法の派遣社員を直接雇用にする期間制限を見直すように要求しているといわれていますが)大野さんは、キヤノン工場でのご自分の労働実態について次のように語っています。
「いつまでも、使い勝手よく、派遣労働者のまま、低賃金で派遣企業がなんらの雇用責任も負わず労働者を使用させろと、まるで奴隷のように働けといわれているように聞こえる」と。
キヤノン側は、偽装請負を否定し、
大野さんら(キヤノンユニオン宇都宮支部)との団体交渉も拒否し、「請負会社と業務委託契約に基づき請負取引しているもので、貴組合員は請負会社の従業員として当該業務に従事しているにすぎない」 と語っているそうです。
そんな御手洗氏が会長をつとめるキャノンは、コンパクトデジタルカメラのラインアップを強化、高性能映像エンジン「DIGIC III」を搭載した“IXY DIGITAL 10”(写真右)などを3月中旬に発売しようとしています。とくに“IXY DIGITAL 10”は、IXY DIGITAL50や55と同じように、soroの好みのフォルムで、しかも薄型・軽量です。日常的に携行したくなるタイプのおしゃれなデジカメなのです。
soroはいま、いくつかのキャノン製品を使っているのですが、それらの製品も、来月中旬発売予定のIXY DIGITAL 10も、「まるで奴隷のように働けといわれている」ような労働者の方々によって生産されているのかと思うと、とても複雑な気持ちになってしまうのです。