コンセプチュアル・アーティストの娘(Yasuko.T)は、9月のある日、都内で「THE BIG ISSUE JAPAN」の編集部の方からの取材を受けました。そしてそのことが、「THE BIG ISSUE JAPAN」 №58 2006.10.1号の特集、「コミュニケーション・アート宣言 次代を孕む美術・音楽」(p.13~p.20)の中に、載りました。
特集の冒頭のp.13 には、「アーティストと他者がかかわる場で生れたアートを 『コミュニケーション・アート』 とよぶ。テーマやイデオロギーを追い求めた1985年以前と異なって、『コミュニケーション・アート』 が、次の世代のアートを孕みつつある」と記されています。
Yasuko.T のことに関しては、この特集の p.14 ~p.15に、「私の存在は、他者や社会、自然からの作用に対する反作用」 というタイトルで、作品や作風が紹介され、また「コミュニケーション・アート論」に関しては、p.20に、それがどんなものであるのかを、京都市美術館の学芸課長 尾崎眞人さんが丁寧に解説されています。
その中で、コンセプチュアル・アーティストのYasuko.T とかかわって、尾崎眞人さんは次のようなコメントを記されていました。「Yasuko.T は、
コンセプチュアル・アートの手法を用い、社会的システムを問題とする。私としては、Yasuko.T の『
色調補正』というワークショップ(創作やコミュニケーションを体感する作業)形式の表現に興味をひかれる。 Yasuko.T の『色調補正』はワークショップであり、作品であり、表現でもある」と。
soroとワイフは、イーゼルのあるアトリエで、Yasuko.T が油画を描かずに、次々に不思議な作品ばかりを制作しているので、とても気になっていたのですが、尾崎眞人さんの解説によって、コンセプチュアル・アーティストのYasuko.T は、「その手法」を用いながらも、「何が美術なのだろうかという」という「作家としての健康な問い」を発しながら、「コミュニケーション・アート」を志向しつつあるのだということが、不鮮明ながら分りかけてきて、すこしほっとしているところです。
さらに、「
THE BIG ISSUE JAPAN」という雑誌は、「若い人たちの関心や問題を先鋭的に取り上げる雑誌」、また、なにより「ホームレスの人が街頭で販売し、街角や社会を爽やかにしている雑誌」でもあるので、Yasuko.T がそのような雑誌に取り上げられたことは、soroにとって、なんとなく嬉しいことでもあるのです。