「週刊金曜日」6/22 900号には、{京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏に聞く 大飯原発再稼働は〝犯罪的〟所業である」(聞き手 ジャーナリストの粟野仁雄)という記事がありました。
(聞き手)の粟野氏の「野田佳彦首相は『国民生活を守るための再稼働』を『暫定の安全』で認めました」という語りかけに対して、小出裕章氏の「本当に余計なお世話で押しつけがましい。命はどうしてくれるのか。手前勝手もいいとこです。原発を使わなくでも電気が足りなくなると嘘の宣伝を流し続け、『安全性を確認する』という。安全確認なんてできない。福島事故で絶対安全の言葉が使えず、暫定的と言い始める、破局的事故の可能性を認めていることの裏返しです。野田さんや原子力安全委員会、福井県の専門委員会が何と言おうと、想定外の危機は残る。当たり前のことです。大飯原発が動かなくても電力が足りなくなる事態なんて起きません。それがばれたくないから動かすのです。」という言葉から始まりました。
さらに、粟野氏の「出来レースでしょうが、関西広域連合の橋下大阪市長の限定稼働発言が『一定の理解』とされました」という言葉に対して、小出裕章氏は「まるで芝居です。旧態依然とした人がとにかく大飯原発を動かしたい。ほとんど利権です。それぞれの思惑を背負って芝居を打っただけ。橋下さんをいちいち取り上げたマスコミの罪です。無視すればいいのです。大飯原発など動かさなくても水力、火力で乗り切れる。来年以降は、火力でも水力でも別に作れば容易です。国民の生活を守るのなら夏のピークが去れば止めて、全ての原子力を放棄し原子力は止められる。」と語り、
さらに続けて粟野氏の「福井県のお墨付きがありました。」と言う語りかけに対して、小出裕章氏は「福島の事後が起き、津波対策とか、非常電源とか福井県の専門委員会が個別に対処したと言ってもそれで事故は防げない。それでもお墨付きを与えられるのは、福島原発に与えた専門家が処罰もされず、責任も取らないからです。個人の責任を問わないで一体どうするどうするんですか。東電も政治家も誰も責任を取っていない。事故を起こした責任者たちが相変わらず安全性を審査して判断する地位にいます。大飯原発でも今まで通りの原子力ムラの専門家たちが安全を確認したと言う。こんな馬鹿げたことがどうして許されるのですか」と疑問を投げかけ、
またさらに粟野氏の「ストレステストも原子炉を作った三菱重工がやりましたね。」という言葉に対して、小出裕章氏は「そう、それに原子力安全委・保安院。まさに〝犯罪者〟同士が芝居をしている。犯罪者を刑務所に入れてから始めなくてはいけない。新たな規制庁にしても犯罪者を裁かないままならそこに彼らが群がるだけです。」と、厳しく批判していました。