5月31日の「しんぶん赤旗」(Web)は、「
大飯再稼働 首相最終判断へ 関西連合の容認受け 地元の合意促す」という見出しで『政府は30日、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、同日鳥取県で開かれた関西広域連合(2府5県と2政令市)の会合で再稼働が事実上容認されたことを受けて、関係閣僚会合を開きました。野田佳彦首相は「福井県とおおい町の判断が得られれば、関係閣僚会合で議論し、私の責任で判断する」と述べ、再稼働の最終判断へ一歩踏み込みました。』と報じていました。
ところで5月31日の、同じ「しんぶん赤旗」(Web)には、「
原発再稼働テスト“お手盛り検査”東芝・日立も 原子力行政の欠陥鮮明」という見出しで、「原発の再稼働のために導入したストレステスト(耐性試験)の実際の作業を、原子炉を製造したプラントメーカー自身が受注して行っていた問題で、東芝と日立も行っていることが30日、本紙の取材で明らかになりました。自社製原子炉の安全性を製造メーカーが調べる“お手盛り”検査の実態は、ストレステスト自体の信頼性をゆるがすとともに、自前の検査組織を持たずメーカー任せで安全審査をしてきた日本の原子力行政の構造的欠陥も浮き彫りにしています。」
『日立製作所と東芝は、沸騰水型原子炉(BWR)のメーカーです。日立は米国メーカーGE社とつくった子会社「日立GEニュークリア・エナジー」(日立GE社)で、GE社製の原子炉にも関わっています。ストレステストをめぐっては、日立製原子炉は、志賀原発1、2号機(石川県、北陸電力)と柏崎刈羽原発7号機(新潟県、東京電力)の計3基の結果が国に提出済みです。東芝製は、柏崎刈羽原発1号機と東通原発1号機(青森県、東北電力)の計2基が提出されています。』
「本紙は19日付で、国内24基の原子炉を納入した三菱重工業が自社製原子炉のストレステスト業務を行っていることを報じました。同社と日立GE社と東芝の3社が国内のほぼすべての原子炉を納入しており、今後、行われていく全ての原発のストレステストが“自作自演”で行われていく可能性があります。」と報じていました。soroは驚き呆れています。
なお、上の動画『「騙された」~大飯原発安全性「妥当」評価に専門家批判』は、2月20日に開かれた第9回ストレステスト意見聴取会の様子です。また、フリージャーナリストの
田中龍作氏のサイトには、これより前の2月8日に開かれた第8回ストレステスト意見聴取会に関して、次のように記されていました。
「関西電力大飯原発3、4号機が再稼働に向けて大きく動き出す。関西電力が行ったストレステストを妥当とした原子力安全・保安院の評価をめぐり議論する、意見聴取会がきょう(2月8日)開かれた。出席した専門委員8人のうち慎重派はわずか2人だ。残る推進派委員のうち3人が原子力産業から多額の献金を受けていた。司会進行役の岡本委員(東大教授)は三菱重工から200万円をもらっていた、との報道もある。」
『全出席者35人の内訳は電力会社12人、学識経験者(専門委員)8人、保安院10人、原子力安全基盤機構5人。「原子力村の総会に慎重派2人が乗り込み正論を述べる」―多勢に無勢を絵に描いたようだ。岡村委員の司会進行で議事は再稼働容認に向けてまっしぐらに進んだ。... 』と。
p.s.
「毎日新聞」(5月31日)には、『大阪府の松井一郎知事は31日、記者団に、関西電力大飯原発の再稼働に関し、「関西広域連合を再稼働のアリバイ作りに使われた思いだ。僕は容認したのでも理解したのでもなく、(再稼働までの)プロセスが不十分だと言い続けている」と述べ、広域連合から大筋で理解を得られたとする政府の判断に不快感を示した。』と出ていました。