「週刊金曜日」( 11.9 №678 )の表紙には「福田・小沢“幻の
手打ち”混迷の永田町を読み解く」という文字が並んでいました。
ページをめくると、今週の巻頭トピックの後は、「小沢代表辞任劇」とかかわって、コラム「風速計」に落合 恵子氏の「二大から外れるもの」、週刊金曜日特別取材班による『「政権交代」を壊した小沢一郎』、そして渡辺 治氏、萱野稔人氏、金子 勝氏らの『小沢「辞任劇」を読み解く』という記事が並び、
さらに、吉田有理氏の「吉田有理の政治時評」の「これから何を『ぶち壊す』?自民か民主か それとも政権交代への国民の期待か」、佐藤 優氏の「佐藤 優の飛耳長目21」の「小沢代表辞任で重要になる社会民主主義の再評価」と続き、そして最後には、辻元清美氏の「辻元清美の永田町航海記43」の「『密室会談』の週は不気味だった 『テロ新法』から飛び出した大連立」などの関連記事が掲載されていました。
「週刊金曜日」( 11.9 №678 )は、さながら「小沢代表辞任劇」特集のような様相を呈していましたが、これらの記事や談話の中で、soroがとくに気になったのは、萱野稔人氏の「ここはあえて陰謀論で」という(推論を交えた)談話でした。萱野氏は、政権交代の可能性を自ら潰してしまった小沢代表による「あまりにも不可解な今回の対応」とかかわって、次のような思いきった推論をしています。
「小沢代表は自民党時代、防衛利権を手にしていた旧田中派・竹下派に属していました。代表が当時、防衛機材購入の口利きなどでその利権に絡んでいた可能性はないでしょうか。代表は今回のスキャンダルが自身にまで飛び火し、政治生命そのものが破壊されるような大きな危機を感じたのかもしれません。だからこそ連立協議という自民党への利敵行為をすることで、事態収束を(取引き)したのだ、と。この点、首相が、連立協議が成立したのはお互いの『あうんの呼吸』によってだと述べているのは、とても意味深長です」と語り、さらに続けて、
①米国ゼネラルエレクトリック社の代理店の山田洋行のスキャンダルが、なぜこの時期に出てきたのか、「なにか日本を越えた、小沢潰しの大きな力が働いたのでしょうか」と問いかけ、
②小沢「代表は、米国との個別的な軍事協力による海外派兵をやめさせる中心に」いて、彼の政治手腕があったからこそ「テロ特措法」失効したのだと述べ、
③「自衛隊に米軍への給油活動をさせたい人々にとって、小沢代表は除去したい人物」なのだと語りながら、
今回の「小沢代表辞任劇」によってもたらされたものは、「新テロ特措法の成立の可能性」であり、それを裏打ちするように、民主党の鳩山幹事長は「自衛隊派遣に関して、国益を考えたうえでの協議が必要だ」とまでいいだしているのだと指摘しています。
そして最後に「今回の一連の事態によって、何がつぶれて、何が実現したのか。事態の本質は、まさにここにあるでしょう」と締めくくられていました。
soroは萱野氏のこの談話を興味深く読みましたが、小沢代表の「辞任劇」がどんな大状況の変化を生みだすのか、その帰趨を、しっかりと見極めていきたいものだと思っています。