東京新聞の24日の「筆洗」には、『「「六千百四十七万キロワット」。二十二日午後三時、前日に続いて今夏最大電力需要を記録した東京電力の中央給電指令所は、夏の甲子園決勝戦が延長にならずに済んで、心底ホッとしたことだろう。新潟県中越沖地震で、柏崎刈羽原発が全面停止となっているところへ、予想を超える猛暑による冷房需要と盆休み明けの産業需要とが重なる。さらに原油高騰で自家発電をやめる企業が増え、21日夕の段階で用意できた供給力『六千百三十キロワット』を上回る需要見通しとなった。そこで北海道、東北、中部の各電力から余裕電力六十万キロワット分をまわしてもらう一方、緊急稼動した栃木県塩原水力発電所や火力発電所の出力増強で六十万キロワットを上積みする。…週末からはまた猛暑がぶり返すとの予報も。東京電力の綱渡りはまだ続きそうだ』と記されていました。
そしてさらに続けて、「もう一つ不安がある。運転中止中の柏崎刈羽原発について、石橋克彦神戸大教授ら地震研究者や技術者が21日、原発の閉鎖を訴える声明を発表したことだ。大地震再発の危険や、被害が立地基準を超えたこと、機器の有害なひずみの検証が不可能なことなどが理由。この際、エネルギー需要の将来を含む、腰をすえた国民的議論が必要である」と出ていました。
ところで一昨日soroのもとに届いた「週刊金曜日 2007 №667 8.24」には、「原発安全は国の“不当表示” 柏崎刈羽だけではない! 活断層列島に原発」というタイトルの、明石昇二郎さんの記事が載っていました。明石さんはこの記事の中で、原発付近の活断層を事前に発見できなかったのは柏崎刈羽原発だけではなく、北陸電力の志賀原発、中国電力の島根原発など、全国各地で相次いで発見されていて、原子力安全・保安院の耐震・構造設計小委員会の「地質・地盤ワーキンググループ」などの安全宣言は「直ちに『不当表示』(不当表示防止法違反)に該当する」という厳しい批判をされていました。
この記事を見ながら、soroは自分のブログでも取り上げたこがある静岡県御前崎市にある中部電力の浜岡原子力発電所のことが気になってきました。この原発は、東海地震の予想震源域にあり、活断層が直下にあり(1・2・3号機)、その耐震設計には大きな疑問があり、世界で一番危険な原発といわれている原子力発電所です。
ウェブ新聞の「JanJan」2005/04/15には、かつて中部電力浜岡原子力発電所2号機の設計に当たった技術者からの、このことにかかわる告発記事が載っていました。
『私(林信夫はペンネーム)は日本原子力事業株式会社(現・株式会社東芝)の社員として、中部電力浜岡原子力発電所2号機の設計に当たった技術者です。浜岡原発は基礎を固定する岩盤の強度が弱いという問題があり、当時、技術者たちは原子炉が地震に耐えられるようにいろいろ工夫をしましたが、いずれも耐震計算をしてみると「持たない」という結果が出たのです。それでも2号機の建設はそのまま進みそうでした。私はとても悩みました。そして、技術者の良心に従って会社を辞めました』という。慄然とするような内容のものでした。
過日soroは自分のブログに、『もし、大地震が起きて浜岡原発に大事故が起きたら、どれだけの人が被曝するかに関しての、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの予測は、「浜岡2号機(84万キロワット)で原子炉圧力容器が蒸気爆発を起こし大量の放射性物質が大気中に放出されると想定した場合、名古屋方向に風が吹いていると、急性死する人が静岡県内で約4万7千人、後にがんなどで亡くなる人が愛知県内で約33万人など、合計約95万人の死者が予測され、かりに東京方向に風か吹いていると想定すると死者は176万人に増える可能性がある」という、とても恐ろしい内容のもの』と記しました。
またネットサーフィン中にアクセスしたいくつかのウェブサイトには、浜岡原発は、チェルノブイリの原発事故以上の事故を引き起こす可能性が非常に高いことが指摘されていて、浜岡原発で原発震災が起きると、日本の中枢部には人が住めなくなり、日本国は壊滅的な打撃を受けるだろうと述べられていました。
それを回避するため、自覚的な市民たちによって、東海巨大地震による浜岡原発事故を未然に防ぐための浜岡原発運転差し止め仮処分裁判がいま起こされています。そしてその自覚的な市民たちにの組織「浜岡原発とめよう裁判の会」からは、この仮処分裁判の原告になってくださいという訴えが出されています。soroもいまこの会に加入し、原告の一人になろうかなと考えはじめているところです。