「週刊金曜日」944号の特集は、「大人には視えないいじめ スクールカースト」で、木附千晶氏の「他人にも当人にもわからない!? “いじられキャラ”がアイデンティティ」、村山 裕氏の「安倍政権の教育『再生』、いじめ防止対策の問題点 統制管理強化では、いじめはなくならない」、俵 義文氏の「この法案のままでは、学校はもっとひどい状況になる」、対談 雨宮処凛氏×鈴木 翔氏「根拠はないけど100%自己責任『スクールカースト』に支配される教室」などの記事が載っていました。私は孫たちの通っている学校はどうなっているのだろうかと思いながら読みました。
944号はこの他にも、川田文子氏の「国内外が驚いた橋下・維新代表発言」や玉本英子氏の「シリア 長引く内戦で困窮する市民生活」や片岡伸行氏の「連載自衛隊とサリン第2回」などの記事が載っていましたが、私が次に読みはじめたのは、「暮らしの泉(食)映画『世界か食べられなくなる日』監督に聞く GMに『NO』と言わないのは『YES』と言っているのと同じ」という対談記事(聞き手 渡辺妙子氏 )でした。この対談記事の冒頭には次のようなことが語られていました。
『長期間GM(遺伝子組み換え)食品を食べ続けたら体にどんな影響が出るのか──この問題に波紋を投げかけたのが、フランスのカーン大学のジル・エリック・セラリーニ教授による実験です。200匹のラットにエサによってGM群(GMトウモロコシ NK603+ 除草剤ラウンドアップ)と非GM群に分け、2年にわたり観察したところ、GM群は非GM群に比べ、腫瘍の発生率や肥大化が著しかったり、死亡率が高かったのです。映画『世界か食べられなくなる日』は、この実験を追ったドキュメンタリーです。撮影カメラは実験室に入り、ラットの様子を映します。ラットの体にできた腫瘍の異常なまでの大きさは、かなりショッキング。この手の実験が映像として記録・公開されるのは、世界初ではないでしょうか。
3月に来日したジャン・ポール・ジョー監督に話を聞きました。──実験を撮影することになった経緯を教えてください。 「セラリーニ教授が クリージェンという団体と共同で実験を始めたのです。実験が5ヶ月進んだとき、セラリーニ教授から『映画を撮ってくれ』というオファーがありました。それはドキュメンタリー映画作家としてとても名誉なことで、しかも義務としてやらねばならないと思い、撮影に挑みました。われわれは2009年の10月から撮り始め6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、そして腫瘍がかなり大きくなっている最終段階の時点まで追い続け2011年の11月に撮影自体は終わりました」
──では監督ご自身が、ラットの腫瘍がどんどん大きくなっていく様子をこらんになった? 「その通りです。私もセラリーニ教授も、結果について少しは予想はしていました。ですからラットの腫瘍が現れるのは予想外ではありませんでしたが、これほどの大きさの腫瘍がGM作物によって生まれるというのは驚きでした。最初の撮影から、私は実験台となってくれたラットに感謝の念をおぼえていました。実験のために命を捧げてくれてありがとうという気持で撮影していたんです。』
ところで、ジャン・ポール・ジョー監督の映画『世界か食べられなくなる日』は、6月8日から東京・渋谷アップリンク(
http://www.uplink.co.jp/)ほか全国で順次公開予定だそうです。