この動画は、米国のスリーマイル原発事故の際、事故調査団のメンバーだった、米国のフェアウィンズ・アソシエーツ チーフエンジニア アーニー・ガンダーソン氏が、マサチューセッツ, WorcesterのWorcester Polytechnic Institute大学の客員教授 マルコ・カルトフェン氏(放射線化学とモニタリングの専門家)の科学的データをもとに、2011年10月31日に、ウェブ上に発表されたものです。
アーニー・ガンダーソン氏はこの動画で、「(東電福島第一原発事故の)放射能は間違いなくアメリカ大陸まで来ており、ロッキー山脈が壁になりほとんどの放 射性物質が土壌に堆積した。 特に西海岸で、癌が増加するであろうことは確かです。」「私たちは、逃げることも隠れることもできません。放射性物質は西海岸全体に降り飛散し、そして、他の米国全土にも拡散したのです。」「日本人は、放射能汚染が発見されたら必死で追跡する必要があります。汚染は、エアフィルターや子供の靴により明らかです。いま現在、日本の土壌と大気中の放射線量を減らすためには、ホットスポットをやみくもに追う努力でなく、国家の連携した努力が必要となります。」「カルトフェン教授の報告書にあるデータは、市民の皆さん、農業従事者、科学者、ブロガ-から寄せられたものです。個人の方々の尽力であり、政府のものではありません。もし、私たちが今回の情報を得るため政府に頼っていたとしたら、決して得ることは出来なかったと思います。つまり、私たちが協力を認め合い、インターネットを通じ、すべての情報を科学者たちの利用の為に提供出来た事、公開の手段で合理的な判定に至ることが出来たことは、私たちすべてにとっては、価値ある業績なのです。」と語っています。
ところでアーニー・ガンダーソン氏は、この動画の発表より前の、2011 年8月21日に、フェアウインズ・アソシエイトのウェブサイトに発表された動画「データがフェアウィンズの分析を支持/放射能汚染が日本と世界に拡大」というタイトルの動画(この下の動画)の最後の部分で、次のように語っています。
「放射能の雲は、日本だけに留まっているわけではありません。もちろん太平洋を越えてアメリカの北西部にも届きます。汚染された瓦礫の焼却を認めたら、福島の事故をあらためて再現するようなものです。地面に落ちたばかりの汚染物質をもう一度空中に舞い上げるわけですから。また、福島から比較的離れた地域でも、地面に落ちた放射性物質が川に入り、海に流れているというデータがあります。これまでは福島の原発そのものに注目が集まっていましたが、今や遠くはなれた川が汚染されて、それが海の汚染につながっています。日本は問題に直面しています。厳しい問題に直面しています。ですが、厳しい問題に直面していることをまず認識しなければ、その問題を解決することはできません。日本政府が事の大きさをこれからも無視し続けるなら、かえって問題は長引き、最初からきちんと対処するより費用が多くかかる結果につながります。まず、問題に直面していることを認識し、その問題が深刻なものであること、また問題解決には多額の費用がかかることを認識しなくてはいけません。しかし、問題の解決は可能です――解決すべき深刻な問題があるという認識を出発点にして対処するならば。」
soroもアーニー・ガンダーソン氏の「カルトフェン教授の報告書にあるデータは、市民の皆さん農業従事者、科学者、ブロガ-から寄せられたものです。個人の方々の尽力であり、政府のものではありません。」、「しかし、問題の解決は可能です――解決すべき深刻な問題があるという認識を出発点にして対処するならば。」という言葉に同感です。^^v
soroのような老人も、自分の子どもたちや孫たちのために、いま市民として、民主的で自覚的な市民たちと連帯して、行動を起こさなければと、あらためて強く思いはじめています。(^^)/
P.S. なお、アーニー・ガンダーソン氏は、「週刊朝日」臨時増刊「朝日ジャーナル」(2012年3月20日発行)に寄稿した「途方もない『フクシマ』の潜在リスクと日本の未来」という記事の中には「現在の一番の懸念材料は4号機です。4号機のプールには炉心数個分のもの使用済み燃料棒が入っています。使用済み核燃料プールは遮蔽されていません。しかも、4号機の建屋は構造が弱体化し傾いています。事故後東電はプールを補強したため、危機的な状況に陥ることは考えにくくなりました。しかし、ひとたび大きな地震が起これば、倒壊する可能性が四つの中では最も高い。東京の友人には、4号機が崩れたら即座に逃げるようにアドバイスしています。」、「大気圏内で行われた過去の核実験で放出された量をすべて合わせたほどの放射性セシウムが、4号機のプールには眠っているいるのです。」という恐ろしいことが語られていました。