「週刊金曜日」4/20 892号の特集には、沖縄大学名誉教授 矢ケ崎克馬氏の「低線量被曝と子どもたち 短期休養のすすめ」という記事が載っていました。「放射能は怖いけれど、さまざまな事情で『避難』『疎開』できない..... そんな悩みを持つ人たちに短期休養の関心が高まっている。数日から数週間だけでも、体内の放射性物質を減らし、自由に野外を駆け巡ることでストレスを発散させる短期休養について考えてみませんか」という前置きではじまるこの記事には、次のようなことが記されていました。
「チェルノブイリ原発から西へ110〜 150km離れた放射能汚染地帯のルギヌイ地区は「移住権利地域(年間放射線量1ミリシーベルト)と「移住義務地域」(年間放射線量5ミリシーベルト)を合わせた割合が全体の13.3%です」
「このルギヌイ地区では、事故後5年かけて子どもたちの甲状腺疾患と甲状腺腫が急増し9年後の1995年には10人に1人の割合で甲状腺疾患が現れている。さらに甲状腺腫瘍は、1000人中13人程度になっている。とすると、(汚染度がルギヌイ地区より高い)福島市や郡山市を中心に、極めて高い疾病率が、現在も被爆させられている子どもたちを襲うことが懸念されます。したがって私は、年間1ミリシーベルトの限度地以上の汚染地帯では、即刻子どもの疎開を手配するよう政府に訴えたい。...政府は子どもたちの被曝回避のため、あらゆる手段を講じる責任があります」
「(放射能は子どもたちの免疫力を低下させますが)すでにチェルノブイリの経験から、放射能汚染地域から2週間も休養に出せば、免疫力回復という点で優れた効果があるということが知られるようになりました。フランスのNPOで、被爆した子どもたちを支援している『チェルノブイリ/ベラルーシの子どもたち』の創設者で、医師でもあるミッシェル・フェルネックス博士も昨年11月に発表した『人々が被曝から身を守るために』と題する緊急提言で、被曝から身を守るために、放射能から子どもたちを守るために最も重要なことは、『食べ物による内部汚染を避けること』と強調するとともに、『子どもを汚染地域外でしばしば休養させるのも効果的だ』と述べています」
ところでこの記事と関わって、この892号には、「全国に広がる支援の環 休養・自主避難受け入れ 主要団体リスト」が紹介されていました。そのページには、編集部の成澤宗男さんの「すぐに避難できなくとも、週末や連休、夏休み等を利用した休養は比較的気軽にできます。放射能の心配の少ない場所で、子どもたちをのびのびと過ごさせてあげるのは健康にとっ大事なこと、あなたの町でも、受け入れを考えてみませんか。...どのような形でも福島の子どもたちやその家族を迎えるのは、政府の無策によって苦しめられている県民への連帯である。こうした連帯の環をどう広げて行くかに、福島のみならず、社会の未来のあり方がかかわっている。」というメツセージとともに、現在全国で34ある「休養・自主避難受け入れ主要団体」が紹介されていました。
なお、関東地方の「休養・自主避難受け入れ主要団体」は、「福島の子どもたちとともに、世田谷の会、福島保養プロジェクト@練馬、NPO法人 河口湖自然学校、福島子ども支援・八王子、つちのこ母ちゃんず(神奈川県相模原市)、「福島の子どもたちとともに」川崎市民の会、フェリス女学院ボランティアセンター、などでした。